時計皿爪(ヒポクラテス爪)の症状と治療法

爪が大きくスプーンのようになる時計皿爪(ヒポクラテス爪)

指の先端が大きくなりスプーンのような形状になる症状を時計皿爪(ヒポクラテス爪)といいます。
この名の由来は、紀元前、ヒポクラテスが最初に書籍に記載したという事で付けられたといわれていますが、この疾患は基礎疾患があり、例えば心臓や肺の病気が原因で時計皿爪(ヒポクラテス爪)となっていることもあるので、注意が必要です。

症状としては、爪の先端が爪を巻き込むように隆起した状態になり、さらに指の先端が大きく肥大化します。
指先が大きくなり腫れている状態という場合、「ばち指」と呼ぶこともあります。
右側の指、爪にこのような状態がみられた場合、右側に問題がある事が多く、逆なら逆の方に問題があります。
血管障害が考えられますので、ばち指となっている場合、医療機関を受診し問題がないか検査を受ける方がいいでしょう。

爪は昔から健康のバロメータと呼ばれ、妊婦さんなども医師が爪の状態を確認する事があります。
爪の状態から貧血が分ったり、水分不足が懸念されたり、色々な情報を得ることができるからです。

時計皿爪(ヒポクラテス爪)は、慢性疲労などからも出る症状ですし、喫煙が原因で出てくることもありますが、まずは血管や心臓、肺に異常がないかという検査を行います。
通常内臓疾患が時計皿爪(ヒポクラテス爪)の原因となっている場合、左右の爪全部が時計皿爪(ヒポクラテス爪)となっているので、よくわかるでしょう。

メカニズムはわかっていない

なぜ時計皿爪(ヒポクラテス爪)となるのか、このメカニズムについては解明されていません。
爪の栄養素が少なくなることで爪が薄い状態となり、また爪の下の組織が浮腫状態になり皮膚が厚みをまし、爪の水分量を少なくすることで時計皿爪(ヒポクラテス爪)になるのではないか?と予想されているのみです。

但し、鉄欠乏性貧血やそのほかの疾患が基礎疾患としてある場合、原因は血液や心臓疾患、肺などとはっきりしていますので、栄養をしっかり補う事、睡眠時間などもとり、体を疲労させないことが大切といわれています。

時計皿爪(ヒポクラテス爪)になったといっても、他の人に感染する事はありませんし、日常生活の改善で症状がかなりよくなることもあります。
ただ基礎疾患があるという事なら、その疾患をいち早くいい状態に持っていくことで、時計皿爪(ヒポクラテス爪)を改善、完治することも可能です。

時計皿爪(ヒポクラテス爪)はぱっと見て、他の爪の病気とは違うという事がわかりますし、重大な被害となる事も少ないので、あまり心配する事はありませんが、別の病気かどうか、、不安要素を取り除いておくことも重要です。