匙型爪甲(スプーン爪)は見た目に良くない状態
匙型爪甲(スプーン爪)は、巻き爪と逆の状態と考えるとわかりやすいと思います。
爪というのは通常、真中が最も膨らみ、指に沿って丸くカーブしています。
しかしその逆で指の中央から先端に向かってスプーンのように沿っている状態になる事があります。
それば匙型爪甲(スプーン爪)という状態です。
なぜこのような状態になるのかというと、いくつかの原因がありますが、乳児などの手にみられるものの多くが生理的なものです。
そのため心配はなく、通常思春期年代になるくらいまでには治っています。
先天的なものではなく、例えば栄養状態が悪く鉄欠乏性貧血になっている場合にも匙型爪甲(スプーン爪)がみられます。
先天的な病気としては甲状腺機能亢進症などの病気がみられますが、この場合は、指先に力を入れることでこうなる、ということではなく、病気によって爪が薄く柔らかいじょうたいになっていることで、匙型爪甲(スプーン爪)になると考えられます。
薬剤を利用する美容師や、指先に力を入れる作業が多くなる農業を生業とされている方などに後天的原因が考えられます。
指に力を入れることで爪に負担がかかり反り返る、また美容師さんなどは有機溶媒などの薬品類を扱う事があるので、薬品によって匙型爪甲(スプーン爪)になる事があります。
もう一つ、爪の切り方が両端を短く切る癖がある方は、この匙型爪甲(スプーン爪)になる事が多いといわれています。
指先に力を入れるための爪甲が爪の端をきる事によって支えきれなくなることが原因と考えられます。
匙型爪甲(スプーン爪)の症状は?
足指に起る事もありますが、多くは手に発生します。
皮膚に沿って爪も同じようにカーブしているはずなのに、だんだんと真っすぐに近くなっていき、それが進行すると次第に中央がへこんでスプーンのような形状になります。
痛みなどは特にありませんが、爪の端が反っているため、引っかかりやすく、爪の怪我の心配などもあります。
足指に匙型爪甲(スプーン爪)がみられるのは多くが乳児で、これは生理的なもので後に治ります。
まれに、年齢を重ねても治らないものがありますが、職業的な問題で匙型爪甲(スプーン爪)になっている人と比較すると症状はそれほどひどい状態ではありません。
治療は必要なのか?
乳児の場合、先天的な要素がほとんどですしその先に治る事が多いので、放置してもいいのですが、症状がかなりひどいという場合には、例えば鉄欠乏性貧血などの病気が隠されていることもあります。
この場合、鉄剤を飲むなどの治療が必要となりますし、甲状腺の機能障害なども、専門医でしっかり治療することが求められます。
爪の両端を短く切らない、職業上の問題がある場合、薬品等が爪に触れないように手袋などをして保護するという事を考えましょう。