爪囲炎の症状と治療法

爪囲炎とはどういう病気?

爪の周囲の皮膚に傷が出来たり、肌荒れとなっている場所から炎症を起こした状態を爪囲炎といます。
爪部分にはかなり多くの菌類が存在していますので、傷が出来た時、小さい傷でもしっかり消毒など施しておかないと、爪囲炎になる可能性があります。

菌類が皮膚の中に侵入して起る爪囲炎の場合、爪の周囲の皮膚が赤く腫れるなどの症状がみられます。
最初のうちは抑えると痛い程度なのですが、次第に疼痛が激しくなります。
膿や膿疱ができることもあり、これを放置すると爪母にまで炎症が広がり、爪甲剥離症などの病気へ移行することもあります。

カビによるものの多くはカンジダ菌によるものですが、自覚症状がないという事が困りものです。
爪の周囲にわずかな腫れがみられますが、菌類の時と違い痛み、膿などが発生しないのです。
そのため、自覚症状もなく気が付いたら病気がひどくなっていたという事も少なくありません。

原因となる菌の多くが黄色ブドウ球菌ですが、まれに緑膿菌や大腸菌、化膿性連鎖球菌という事もあります。
カビの場合はカンジダが多く、症状を医師が確認し菌やカビを顕微鏡で診るなどして、どのような菌やカビが原因となっているか探ります。

爪囲炎は抗菌薬で治療できる

菌類が繁殖しているという状態なので、基本的に抗菌薬を投与するという治療になります。
ただ、膿や膿疱があるという場合には、膿疱部分を切開し膿を出すという治療を行う事もあります。

炎症が爪の周囲だけではなく、爪そのものに広がっている、また爪甲剥離症など別の病気に移行している場合には、その病気を治療することが必要となりますし、症状が悪化すれば、爪をはがすという治療方法が必要になる場合もあります。

生活習慣を改めることも重要

爪囲炎は菌類が原因となって起るものですが、皮膚表面がふやけている状態だったり、湿度が高い状態になっているところに傷ができると発症しやすいといわれています。
仕事上、水を継続して利用するという方もいるかと思いますが、出来ればビニール手袋を利用するなどして、指先が湿った状態で長い時間過ごさないようにすることが求められます。

また爪を噛む癖がある方や陥入爪となっている方など、爪の状態が悪い人は、指先に傷がつきやすいので、爪囲炎になる事も多くなります。
勿論免疫力を向上させることも大切で、バランスのいい食事を心がける等生活習慣を見直すことも必要です。

別の病気が原因となる事もあり、例えば免疫系の病気や糖尿病などを患っている方も、爪囲炎になりやすいといわれています。
これは基礎疾患によって体が感染に抵抗する力が弱くなっているためです。
抵抗力をつけておくためにも睡眠をしっかりとって、体内の血液循環をよくしておくということも重要です。